自己相関係数とコレログラム(統計検定2級 S4.1)
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補足資料の解説記事
時系列データでは「今月の値」と「1か月前の値」「12か月前の値」がどれくらい似ているかが重要です。同じ系列を時間をずらして自分自身と比べる相関が自己相関係数で、それを時差(ラグ)ごとに並べた図がコレログラムです。周期や傾向の有無を一目で判断できます。
公式(ラグ $k$ の標本自己相関係数)$$r_k=\frac{\sum_{t=1}^{n-k}(x_t-\bar x)(x_{t+k}-\bar x)}{\sum_{t=1}^{n}(x_t-\bar x)^2}$$常に $r_0=1$、$-1\le r_k\le1$。
なぜこの形か
分子は $k$ 時点離れた値どうしの偏差の積(共分散に相当)、分母は系列全体の変動です。分子の項数は $n-k$ 個しかありませんが、平均と分母には系列全体を使います。$x_t$ と $x_{t+k}$ の2列を作ってピアソンの相関係数を計算した値とは、厳密には一致しません。
分子は $k$ 時点離れた値どうしの偏差の積(共分散に相当)、分母は系列全体の変動です。分子の項数は $n-k$ 個しかありませんが、平均と分母には系列全体を使います。$x_t$ と $x_{t+k}$ の2列を作ってピアソンの相関係数を計算した値とは、厳密には一致しません。
コレログラムの読み方
| 系列の特徴 | コレログラムの形 |
|---|---|
| 規則性のないばらつき(ホワイトノイズ) | $k\ge1$ ですべて 0 付近。目安は $\pm2/\sqrt{n}$ の範囲内 |
| 上昇・下降のトレンド | 正の値からゆっくり減衰 |
| 周期 $p$ の季節変動 | $k=p,2p,\dots$ で正の山、$k=p/2$ 付近で負の谷 |
| 前期の影響が残る(正の系列相関) | $r_1$ が大きく、ラグとともに徐々に小さくなる |
| 上下に交互に振れる | $r_1$ が負、符号が交互に変わる |
数値例
周期4の系列 $2,4,6,4,2,4,6,4$ を考えます。平均は $4$、偏差は $-2,0,2,0,-2,0,2,0$、分母は $16$。
- $k=1$:隣どうしの偏差の積はどれかが 0 なので $r_1=0$
- $k=2$:$(-2)(2)+(2)(-2)+(-2)(2)=-12$、$r_2=-0.75$
- $k=4$:$(-2)(-2)+(2)(2)=8$、$r_4=0.5$
周期の半分($k=2$)で負の谷、周期($k=4$)で正の山ができています(図1)。$r_4$ が 1 にならないのは、分子の項数が減るのに分母は全体のままだからです。月次データなら $k=12$、四半期データなら $k=4$ の山が季節変動の証拠になります。
ひっかけ
- 完全に周期的な系列でも、周期のラグの $r_k$ は 1 より小さい(上の例では 0.5)。
- トレンドのある系列では、周期がなくても多くのラグで正の自己相関が出る。季節性を判断するときはトレンドを除いてから見る。
- $r_1$ が負なのを「前期と無関係」と読まない。前期が高いと今期は低い傾向がある、という意味。
得点のコツ
コレログラムを選ぶ問題では、(1) どのラグで山があるか → 周期、(2) 減衰がゆっくりか → トレンド、(3) すべて小さいか → ランダム、の順に判断する。月次データの原系列と、それを12か月移動平均した系列を比べる問題もよく出る。移動平均すると季節性の山は消える。
コレログラムを選ぶ問題では、(1) どのラグで山があるか → 周期、(2) 減衰がゆっくりか → トレンド、(3) すべて小さいか → ランダム、の順に判断する。月次データの原系列と、それを12か月移動平均した系列を比べる問題もよく出る。移動平均すると季節性の山は消える。
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