残差プロット — 回帰モデルの前提チェック(統計検定2級 S2.3)
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補足資料の解説記事
回帰直線を当てはめたら、それで終わりではありません。「直線で表してよかったのか」「ばらつきは一定か」を確かめるのが残差プロットです。決定係数が高くても、残差を見るとモデルの欠陥がわかることがよくあります。
定義
残差 $e_i=y_i-\hat y_i$。横軸に説明変数 $x_i$(または予測値 $\hat y_i$)、縦軸に $e_i$ をとった図が残差プロット。最小二乗法では常に$$\sum e_i=0,\qquad \sum x_i e_i=0$$
残差 $e_i=y_i-\hat y_i$。横軸に説明変数 $x_i$(または予測値 $\hat y_i$)、縦軸に $e_i$ をとった図が残差プロット。最小二乗法では常に$$\sum e_i=0,\qquad \sum x_i e_i=0$$
なぜ残差を見るのか
回帰分析では、誤差が「平均0、分散一定、互いに独立」であることを前提にしています。モデルが正しければ残差にはこれらの性質が現れ、0 のまわりに規則性なくばらつくはずです。何らかの形が見えるなら、それはモデルが取りこぼした構造です。
回帰分析では、誤差が「平均0、分散一定、互いに独立」であることを前提にしています。モデルが正しければ残差にはこれらの性質が現れ、0 のまわりに規則性なくばらつくはずです。何らかの形が見えるなら、それはモデルが取りこぼした構造です。
パターンの読み方
| 残差プロットの形 | 意味 | 対処の例 |
|---|---|---|
| 0 のまわりに一様な帯 | 問題なし | そのまま使う |
| U字・逆U字の曲線 | 関係が非線形 | 2次項を入れる、変数変換 |
| 右に行くほど広がる(ラッパ型) | 分散が一定でない | 対数変換など |
| 1点だけ大きく離れる | 外れ値 | 記録ミスの確認、影響の評価 |
| 時間順に並べると波打つ | 誤差に自己相関 | 時系列モデルを検討 |
数値例:決定係数が高いのに曲がっている
$x=1,2,3,4,5$、$y=1,4,9,16,25$($y=x^2$)に回帰直線を当てはめます。$\bar x=3,\ \bar y=11$、偏差積和 $60$、$x$ の偏差平方和 $10$ より $b=6$、$a=11-18=-7$。予測値は $-1,5,11,17,23$ で、残差は $2,\ -1,\ -2,\ -1,\ 2$。
決定係数は $R^2=360/374\approx0.96$ と非常に高いのに、残差はきれいなU字を描きます(図1)。直線モデルが不適切なことは、$R^2$ ではなく残差プロットで初めてわかります。
ひっかけ
- 「残差の合計が 0 なのでモデルは適切」は誤り。最小二乗法では、モデルが間違っていても残差の合計は必ず 0。
- 「$R^2$ が 0.9 以上なので直線で十分」も誤り。上の例のように曲線でも $R^2$ は高くなりうる。
- 残差のばらつきが広がる形は「非線形」ではなく「分散が一定でない」ことを示す。形とその意味を正しく対応させる。
得点のコツ
選択肢で残差プロットを解釈させる問題は、(1) 平均的な位置が曲がっているか(線形性)、(2) 幅が変わるか(等分散性)、(3) 飛び離れた点があるか(外れ値)、の3点を順にチェックすれば解ける。
選択肢で残差プロットを解釈させる問題は、(1) 平均的な位置が曲がっているか(線形性)、(2) 幅が変わるか(等分散性)、(3) 飛び離れた点があるか(外れ値)、の3点を順にチェックすれば解ける。
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