検定手法の選び方(全体マップ)(統計検定2級 8.6)
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第8章 仮説検定の解説記事
検定の問題で最も差がつくのは、計算よりも「どの検定を使うか」の判断です。データの種類(量的か質的か)、比べるグループの数、対応の有無の3つを順に確認すれば、使う手法は1つに絞れます。
選択の3つの問い
①データは量的(平均・分散)か、質的(比率・度数)か
②比べるのは1群か、2群か、3群以上か(あるいは変数間の関係か)
③2群なら、対応があるか。対応がなければ等分散を仮定するか
①データは量的(平均・分散)か、質的(比率・度数)か
②比べるのは1群か、2群か、3群以上か(あるいは変数間の関係か)
③2群なら、対応があるか。対応がなければ等分散を仮定するか
| データ | 状況 | 手法 | 分布 |
|---|---|---|---|
| 量的 | 1群の平均(σ既知) | z 検定 | $N(0,1)$ |
| 量的 | 1群の平均(σ未知) | t 検定 | $t(n-1)$ |
| 量的 | 1群の分散 | $\chi^2$ 検定 | $\chi^2(n-1)$ |
| 量的 | 2群の平均・対応あり | 対応のある t 検定 | $t(n-1)$ |
| 量的 | 2群の平均・対応なし・等分散 | 2 標本 t 検定 | $t(m+n-2)$ |
| 量的 | 2群の平均・分散が異なる | ウェルチの t 検定 | t(近似自由度) |
| 量的 | 2群の分散の比 | F 検定 | $F(m-1,n-1)$ |
| 量的 | 3群以上の平均 | 一元配置分散分析 | $F(k-1,N-k)$ |
| 量的 | 説明変数の効果 | 回帰係数の t 検定 | $t(n-p-1)$ |
| 質的 | 1群の比率 | 比率の z 検定 | $N(0,1)$ |
| 質的 | 2群の比率 | 比率の差の z 検定 | $N(0,1)$ |
| 質的 | 度数が理論比に合うか | 適合度検定 | $\chi^2(k-1)$ |
| 質的 | 2つの属性の関連 | 独立性の検定 | $\chi^2((r-1)(c-1))$ |
なぜ3群以上で t 検定を繰り返さないのか
3群で2群ずつ t 検定を3回すると、どれか1回で誤って有意になる確率は 5% よりかなり大きくなります(独立とみなせば $1-0.95^3\approx0.14$)。全体を1回の F 検定で調べる分散分析なら、有意水準を 5% に保てます。
3群で2群ずつ t 検定を3回すると、どれか1回で誤って有意になる確率は 5% よりかなり大きくなります(独立とみなせば $1-0.95^3\approx0.14$)。全体を1回の F 検定で調べる分散分析なら、有意水準を 5% に保てます。
判断の練習
- 20人の減量プログラム前後の体重 → 量的・2群・対応あり → 対応のある t 検定
- 男女別の支持・不支持の人数 → 質的・2属性 → 独立性の検定(2×2 なら比率の差の z 検定でも同じ結論で、$z^2=\chi^2$)
- 工場A・Bの製品のばらつきが同じか → 量的・分散の比 → F 検定
- 肥料4種類で収量の平均が違うか → 量的・4群 → 一元配置分散分析
ひっかけ
- 「平均の比較」の文言につられて、実はデータが割合(はい/いいえ)だった、というパターン。何を数えたデータかを確認します。
- サイズの等しい2群を見ただけで「対応あり」と判断しない。対応とは、個々のデータが1対1で結びついていることです。
- 分散の比較は差でなく比(F)を使います。
得点のコツ
選択問題では、選択肢の検定名から「使う分布」と「自由度」をセットで確認すると誤りを消去しやすくなります。例えば「自由度 $m+n-2$ の t 分布」とあれば、それは対応なし・等分散を仮定した2標本 t 検定しかありえません。個々の計算は「1標本の検定」「2標本の検定」の記事を参照してください。
選択問題では、選択肢の検定名から「使う分布」と「自由度」をセットで確認すると誤りを消去しやすくなります。例えば「自由度 $m+n-2$ の t 分布」とあれば、それは対応なし・等分散を仮定した2標本 t 検定しかありえません。個々の計算は「1標本の検定」「2標本の検定」の記事を参照してください。
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