p値と棄却域 — 2つの判定方法(統計検定2級 8.2)
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第8章 仮説検定の解説記事
検定の最終判定には「統計量が棄却域に入るか」を見る方法と「p 値が有意水準以下か」を見る方法の2通りがあります。どちらも同じ結論になりますが、問題によって問われ方が違うので、両方を自在に行き来できることが大切です。
2つの判定方法
棄却域方式:$H_0$ のもとで確率 $\alpha$ となる「極端な領域」を先に決め、統計量の実現値がそこに入れば棄却。
p 値方式:実現値以上に極端な値が出る確率 p を求め、$p\le\alpha$ なら棄却。
両側検定では p 値 $=2\times$(片側の裾確率)。
棄却域方式:$H_0$ のもとで確率 $\alpha$ となる「極端な領域」を先に決め、統計量の実現値がそこに入れば棄却。
p 値方式:実現値以上に極端な値が出る確率 p を求め、$p\le\alpha$ なら棄却。
両側検定では p 値 $=2\times$(片側の裾確率)。
なぜ同じ結論になるのか
統計量が棄却域の境界(臨界値)よりも外側にあることは、その外側の裾の確率(p 値)が境界の外側の確率 $\alpha$ よりも小さいことと同じだからです。棄却域は「$\alpha$ から統計量の値へ」、p 値は「統計量の値から確率へ」と、向きが逆なだけです。
統計量が棄却域の境界(臨界値)よりも外側にあることは、その外側の裾の確率(p 値)が境界の外側の確率 $\alpha$ よりも小さいことと同じだからです。棄却域は「$\alpha$ から統計量の値へ」、p 値は「統計量の値から確率へ」と、向きが逆なだけです。
| 対立仮説 | 棄却域(z 検定、$\alpha=0.05$) | p 値 |
|---|---|---|
| $\mu\neq\mu_0$(両側) | $|z|\ge 1.96$ | $2P(Z\ge|z|)$ |
| $\mu\gt\mu_0$(右片側) | $z\ge 1.645$ | $P(Z\ge z)$ |
| $\mu\lt\mu_0$(左片側) | $z\le -1.645$ | $P(Z\le z)$ |
t 検定なら 1.96 や 1.645 の代わりに、自由度 $n-1$ の t 分布の $t_{0.025}(n-1)$ や $t_{0.05}(n-1)$ を使います。
数値例1:z 検定(両側)
$z=2.0$ のとき、両側 p 値 $=2\times0.0228=0.0456$。5% 水準では棄却($|z|\ge1.96$ とも一致)、1% 水準(臨界値 2.576)では棄却できません。このように有意水準を下げると棄却しにくくなります。
数値例2:t 検定(右片側)
$n=16$、$\bar{x}=103$、$s=6$ で $H_0:\mu=100$、$H_1:\mu\gt100$。$t=\dfrac{103-100}{6/\sqrt{16}}=2.0$、自由度 15。$t_{0.05}(15)=1.753\lt2.0$ なので 5% で棄却。$t_{0.01}(15)=2.602$ より 1% では棄却できません。さらに $t_{0.025}(15)=2.131$ と比べると、p 値は 0.025 と 0.05 の間とわかります。数表からは p 値を「範囲」で答えるのが基本です。
ひっかけ
- 両側検定なのに片側の裾確率をそのまま p 値にしてしまう(2倍し忘れ)。
- p 値が小さいことは「効果が大きい」ことを意味しません。サンプルサイズが大きければ、わずかな差でも p 値は小さくなります。
- p 値=0.03 を「$H_0$ が正しい確率が 3%」と読むのは誤りです。
得点のコツ
ソフトの出力に p 値がある問題では、p 値と $\alpha$ を比べるだけで判定できます。数表しかないときは、実現値をはさむ2つの臨界値を探して「p 値は○と△の間」と絞り込みましょう。両側 5% の検定は 95% 信頼区間が $\mu_0$ を含むかどうかでも判定できます。
ソフトの出力に p 値がある問題では、p 値と $\alpha$ を比べるだけで判定できます。数表しかないときは、実現値をはさむ2つの臨界値を探して「p 値は○と△の間」と絞り込みましょう。両側 5% の検定は 95% 信頼区間が $\mu_0$ を含むかどうかでも判定できます。
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