正規分布と標準化【最重要】(統計検定2級 5.5)

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第5章 確率変数と確率分布の解説記事

正規分布は、測定誤差・テストの得点・標本平均など、統計のあらゆる場面に登場する分布です。どんな平均・標準偏差の正規分布でも、標準化すれば1枚の標準正規分布表で確率が求められる、というのが最大のポイントです。

公式
$X\sim N(\mu,\sigma^2)$ のとき$$Z=\frac{X-\mu}{\sigma}\sim N(0,1)$$逆に $x=\mu+z\sigma$。
再生性:$X\sim N(\mu_1,\sigma_1^2)$、$Y\sim N(\mu_2,\sigma_2^2)$ が独立なら $X\pm Y\sim N(\mu_1\pm\mu_2,\ \sigma_1^2+\sigma_2^2)$
標本平均:$\bar X\sim N(\mu,\ \sigma^2/n)$
なぜ標準化するのか 平均を引くと中心が0に、標準偏差で割るとばらつきが1にそろいます。「平均から標準偏差何個分離れているか」という共通の物差し $z$ に直すことで、元の単位に関係なく同じ表が使えるのです。

確率の求め方(表は上側確率 Q(z)=P(Z≥z))

求めるもの表での計算
$P(Z\ge z)$$Q(z)$
$P(Z\le -z)$$Q(z)$(左右対称)
$P(Z\le z)$$1-Q(z)$
$P(-z\le Z\le z)$$1-2Q(z)$
$P(z_1\le Z\le z_2)$($0\lt z_1\lt z_2$)$Q(z_1)-Q(z_2)$

よく使う値:$Q(1.645)=0.05$、$Q(1.96)=0.025$、$Q(2.576)=0.005$。平均±1σに約68%、±2σに約95%、±3σに約99.7%が入ります。

数値例(X ~ N(60, 10²))

検定の誤りの確率への応用

$H_0:\mu=50$、$\sigma=10,\ n=25$ の片側検定(有意水準5%)では、$\bar X\ge50+1.645\times2=53.29$ で棄却します。真の平均が55のとき、棄却できない確率(第2種の過誤)は $P(\bar X\lt53.29)=P\!\left(Z\lt\frac{53.29-55}{2}\right)=P(Z\lt-0.855)=Q(0.855)\approx0.196$ です。棄却域は $H_0$ のもとで、誤りの確率は真の分布のもとで計算する、という2段階がポイントです。

ひっかけ
・$N(60,10^2)$ の2つ目の数は分散です。$N(60,100)$ と書かれていたら標準偏差は10。
・両側5%の境界は1.96、片側5%は1.645。問題が「上位5%」なのか「両側合わせて5%」なのかを確認。
・和の分布で標準偏差を足さない($3+4=7$ ではなく $5$)。
・標本平均を扱うときは $\sigma$ ではなく $\sigma/\sqrt n$ で割る。
コツ 確率を求める前に簡単な図を描き、求める面積がどこかを塗っておくと、$Q(z)$ か $1-Q(z)$ か $1-2Q(z)$ かを迷いません。$z$ が負になったら対称性で正に直してから表を引きます。

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