独立性(統計検定2級 4.4)

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第4章 確率の解説記事

2つの事象が独立であるとは、一方が起きたかどうかという情報が、もう一方の起こりやすさに何の影響も与えないことです。確率を掛け算でつなげてよいかどうかは、独立性で決まります。

定義
事象 $A,B$ が独立 $\iff P(A\cap B)=P(A)\,P(B)$
$P(B)\gt0$ なら、これは $P(A\mid B)=P(A)$ と同値。
$A,B$ が独立なら、$A$ と $B^c$、$A^c$ と $B$、$A^c$ と $B^c$ もそれぞれ独立。
なぜ掛け算なのか 乗法定理 $P(A\cap B)=P(B)P(A\mid B)$ において、$B$ の情報が $A$ の確率を変えない($P(A\mid B)=P(A)$)なら、そのまま $P(A)P(B)$ になります。独立の定義は「条件を付けても確率が変わらない」を式にしたものです。

判定の手順

手がかり確かめること
確率が与えられている$P(A\cap B)$ と $P(A)P(B)$ を比べる
分割表(度数)各行で割合が同じか($P(A\mid B)=P(A\mid B^c)=P(A)$)
分割表(期待度数)各セルが 行計×列計÷総数 に一致するか
試行の仕組み復元抽出・別々のサイコロなど、物理的に影響し合わないか

数値例

分割表:200人の好みを調べた結果です。

好き嫌い計
男性7248120
女性483280
計12080200

$P(\text{好き})=120/200=0.6$、$P(\text{好き}\mid\text{男性})=72/120=0.6$、$P(\text{好き}\mid\text{女性})=48/80=0.6$。どの行でも割合が同じなので、性別と好みは独立です。セルで確かめても $P(\text{男性かつ好き})=72/200=0.36=0.6\times0.6$ と一致します。

サイコロ:1個のサイコロで $A=\{$偶数$\}=\{2,4,6\}$、$B=\{1,2,3,4\}$ とします。$P(A)=\frac12$、$P(B)=\frac23$、$A\cap B=\{2,4\}$ より $P(A\cap B)=\frac13=\frac12\times\frac23$。同じサイコロの目でも、数えてみると独立になることがあります。独立かどうかは直感ではなく計算で決まります。

確率変数の独立

確率変数 $X,Y$ が独立なら $E[XY]=E[X]E[Y]$、したがって共分散 $\mathrm{Cov}(X,Y)=0$ で $V(X+Y)=V(X)+V(Y)$ が成り立ちます。ただし逆は成り立たず、共分散が0でも独立とは限りません。

ひっかけ 「排反なら独立」は誤りです。$P(A),P(B)$ がともに正で排反なら $P(A\cap B)=0\ne P(A)P(B)$ なので、むしろ独立ではありません。また3つの事象では、どの2つも独立($P(A\cap B)=P(A)P(B)$ など)でも、$P(A\cap B\cap C)=P(A)P(B)P(C)$ が成り立たない例があります。3つ全体の独立には両方が必要です。
コツ 分割表で独立性を問われたら、行ごとの割合を並べるのが最速です。どれか1つでも割合が違えば独立ではありません。この考え方は、分割表の独立性の検定で期待度数を作るときにもそのまま使います。

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