条件付き確率と乗法定理(統計検定2級 4.3)

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第4章 確率の解説記事

「$B$ が起きたと分かっているとき、$A$ はどのくらい起こりやすいか」を表すのが条件付き確率です。考える世界(分母)を $B$ に絞り込む、というイメージで捉えると混乱しません。

公式
条件付き確率:$$P(A\mid B)=\frac{P(A\cap B)}{P(B)}\quad(P(B)\gt0)$$乗法定理:$$P(A\cap B)=P(B)\,P(A\mid B)=P(A)\,P(B\mid A)$$3事象なら $P(A\cap B\cap C)=P(A)\,P(B\mid A)\,P(C\mid A\cap B)$
なぜ割るのか 「$B$ が起きた」と分かった時点で、起こりうる世界は $B$ だけになります。その中で $A$ も起きている部分が $A\cap B$ なので、その割合 $P(A\cap B)/P(B)$ が新しい確率です。乗法定理はこの式の分母を払っただけのものです。

分割表から読む

200人を性別と喫煙の有無で分類した表を考えます。

喫煙非喫煙計
男性3684120
女性126880
計48152200

同じセル36でも、分母によって3種類の確率が得られます。$P(A\mid B)$ と $P(B\mid A)$ はふつう等しくありません。

非復元抽出は乗法定理で

不良品3個を含む10個の製品から、戻さずに2個続けて取り出します。

求めるもの計算
2個とも不良$\frac{3}{10}\times\frac{2}{9}=\frac{1}{15}$
1個目良品・2個目不良$\frac{7}{10}\times\frac{3}{9}=\frac{7}{30}$
2個目が不良(1個目は問わない)$\frac{3}{10}\cdot\frac{2}{9}+\frac{7}{10}\cdot\frac{3}{9}=\frac{27}{90}=\frac{3}{10}$

最後の行は全確率の公式 $P(A)=\sum_i P(B_i)P(A\mid B_i)$ の例です。1個目の結果で場合分けして足し合わせると、2個目が不良である確率は1個目と同じ $3/10$ になります(くじ引きの公平性)。この場合分けを逆向きにたどるのが「ベイズの定理」の記事の内容です。抜取検査のように取り出した中の不良品の個数そのものを問う場合は、「超幾何分布:設定と確率関数」の記事の確率関数が使えます。

ひっかけ 分割表の問題では「〜のうち」「〜である人の中で」という言葉が条件(分母)を指します。「喫煙者のうち男性の割合」と「男性のうち喫煙者の割合」を取り違える選択肢が定番です。また非復元抽出で、2回目の分母を減らし忘れないこと。
コツ 条件付き確率は「分母はどの集団か」を先に書き出してから数えると確実です。非復元抽出は、ひとつずつ取り出す過程を掛け算で追うか、組合せ(${}_n\mathrm{C}_r$)で一度に数えるか、楽なほうを選びましょう。

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