確率の基本規則(統計検定2級 4.2)
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第4章 確率の解説記事
確率の計算は、少数の基本ルールの組み合わせでほとんど片づきます。「または」「かつ」「でない」の3つをどう扱うかを整理し、特に排反と独立の違いを押さえることが得点の近道です。
基本規則
① $0\le P(A)\le1$、$P(\Omega)=1$($\Omega$ は全事象)
② 加法定理:$$P(A\cup B)=P(A)+P(B)-P(A\cap B)$$③ $A,B$ が排反(同時に起こらない)なら $P(A\cup B)=P(A)+P(B)$
④ 余事象:$P(A^c)=1-P(A)$
⑤ $A,B$ が独立なら $P(A\cap B)=P(A)P(B)$
① $0\le P(A)\le1$、$P(\Omega)=1$($\Omega$ は全事象)
② 加法定理:$$P(A\cup B)=P(A)+P(B)-P(A\cap B)$$③ $A,B$ が排反(同時に起こらない)なら $P(A\cup B)=P(A)+P(B)$
④ 余事象:$P(A^c)=1-P(A)$
⑤ $A,B$ が独立なら $P(A\cap B)=P(A)P(B)$
なぜ引くのか $P(A)+P(B)$ では、$A$ と $B$ の重なり $A\cap B$ を2回数えています。1回分を引いて帳尻を合わせるのが加法定理です。排反なら重なりが空なので引く必要がありません。
排反と独立の違い
| 排反 | 独立 | |
|---|---|---|
| 意味 | 同時には起こらない | 一方が起きても他方の確率が変わらない |
| 式 | $P(A\cap B)=0$ | $P(A\cap B)=P(A)P(B)$ |
| 使う場面 | 「または」の計算 | 「かつ」の計算 |
| $P(A)=0.5,\ P(B)=0.4$ のとき $P(A\cup B)$ | $0.5+0.4=0.9$ | $0.5+0.4-0.2=0.7$ |
$P(A)\gt0,\ P(B)\gt0$ なら、排反と独立は同時には成り立ちません。排反なら $P(A\cap B)=0$ ですが、独立なら $P(A)P(B)\gt0$ になるからです。排反な2事象は「$A$ が起これば $B$ は絶対に起こらない」という強い依存関係にあります。
「少なくとも1回」は余事象で
「少なくとも1回起こる」の反対は「1回も起こらない」です。独立な試行を $n$ 回行い、各回の確率が $p$ なら
$$P(\text{少なくとも1回})=1-(1-p)^n$$例:当たる確率0.2のくじを5回(復元)引くと、$1-0.8^5=1-0.32768\approx0.672$。
非復元の場合も同じ発想で、「全部はずれ」の確率を乗法定理で求めて1から引きます。当たり3本を含む10本から2本引くとき、2本ともはずれる確率は $\frac{7}{10}\times\frac{6}{9}=\frac{7}{15}$ なので、少なくとも1本当たる確率は $1-\frac{7}{15}=\frac{8}{15}\approx0.533$ です。
ひっかけ 「少なくとも1回」を $p\times n$ と足し算で計算するのは誤りです(上の例なら $0.2\times5=1.0$ となり、確率として不自然)。各回の事象は排反ではないので、単純に足すと重なりを数えすぎます。また「排反だから独立」「独立だから排反」はどちらも誤りです。
コツ 問題文の「または」「少なくとも」「〜でない」を見たら、まず余事象を考えると計算量が大きく減ります。選択肢に独立と排反の記述が並んでいたら、$P(A\cap B)$ の値を実際に計算して判定しましょう。
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