フィッシャーの3原則(実験計画法)(統計検定2級 3.5)
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第3章 データの収集の解説記事
実験で処理の効果を正しく、しかも効率よく見きわめるための設計の考え方が、フィッシャーの3原則「反復」「無作為化」「局所管理」です。それぞれが何を防ぎ、何を可能にするかを対応づけて覚えることが大切です。
3原則
- 反復(繰り返し):同じ処理を複数の実験単位に施す。→ 誤差の大きさを推定でき、平均の精度が上がる。
- 無作為化(ランダム化):処理の割り当てや実験の順序を無作為に決める。→ 未知の要因による系統的な偏りを偶然誤差に変える。
- 局所管理(ブロック化):条件のそろった単位をまとめてブロックとし、ブロック内で処理を比べる。→ ブロック間の違いを誤差から取り除き、精度を上げる。
なぜ3つとも必要か
反復がなければ、処理による差なのか偶然の差なのかを判断する物差し(誤差分散)が得られません。無作為化がなければ、例えば「日当たりのよい区画に新しい肥料を置いた」という偏りが処理の効果と区別できません。局所管理がなければ、畑の場所による肥沃度の違いなどが誤差に混ざり、効果が見えにくくなります。
反復がなければ、処理による差なのか偶然の差なのかを判断する物差し(誤差分散)が得られません。無作為化がなければ、例えば「日当たりのよい区画に新しい肥料を置いた」という偏りが処理の効果と区別できません。局所管理がなければ、畑の場所による肥沃度の違いなどが誤差に混ざり、効果が見えにくくなります。
原則と役割の対応
| 原則 | 主な役割 | ないと起きること |
|---|---|---|
| 反復 | 誤差の推定、精度向上 | 検定ができない |
| 無作為化 | 偏り(バイアス)の除去 | 交絡が残る |
| 局所管理 | 既知の変動要因の除去 | 誤差が大きく、差を検出しにくい |
代表的な設計は、全体を無作為に割り当てる完全無作為化法、ブロックごとにすべての処理を1回ずつ無作為に配置する乱塊法、行と列の2方向でブロック化するラテン方格法です。
数値例:ブロック化と自由度
3種類の肥料を、4つの畑でそれぞれ試します(計12区画)。
- 完全無作為化法として分析すると、全体の自由度11 = 処理2 + 誤差9。
- 畑をブロックとする乱塊法では、11 = 処理2 + ブロック3 + 誤差6。
誤差の自由度は3減りますが、畑の違いによる変動が誤差から取り除かれるので、畑の差が大きいときには検出力が上がります。また、反復の回数を $r$ とすると処理平均の標準誤差は $\sigma/\sqrt r$ で、$r=4$ で $\sigma/2$、$r=16$ で $\sigma/4$ と小さくなります。
ひっかけ
- 「偏りを取り除く」のは無作為化、「精度を上げる」のは反復と局所管理。役割の入れ替えが頻出。
- 局所管理は既知の要因(畑、日、測定者)への対策、無作為化は未知の要因への対策。
- 同じ区画を何度も測るのは測定の繰り返しで、実験単位の反復ではない。
- 盲検化やプラセボは偏りを防ぐ重要な工夫だが、フィッシャーの3原則そのものには含まれない。
得点のコツ
記述の中のキーワードで判断する。「複数回」「複数の個体」→ 反復、「くじ」「乱数」「順番をランダムに」→ 無作為化、「似た条件をまとめて」「ブロック」「同じ日に全処理」→ 局所管理。
記述の中のキーワードで判断する。「複数回」「複数の個体」→ 反復、「くじ」「乱数」「順番をランダムに」→ 無作為化、「似た条件をまとめて」「ブロック」「同じ日に全処理」→ 局所管理。
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