実験研究と観察研究(統計検定2級 3.4)
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第3章 データの収集の解説記事
「薬Aは効くのか」「運動すると健康になるのか」のような因果の問いに答えるとき、データの取り方が結論の強さを決めます。研究者が処理を割り当てるのが実験研究、すでに起きていることを観察するだけなのが観察研究です。
定義
- 実験研究:研究者が処理(薬、肥料、教授法など)を対象に割り当て、結果を比べる。無作為に割り当てるものをランダム化比較試験という。
- 観察研究:処理を割り当てず、対象が自分で選んだ状態や、すでにある状態を記録して比べる。コホート研究(要因から結果へ追跡)、症例対照研究(結果から要因をさかのぼる)、横断研究(ある時点で同時に調べる)などがある。
- 交絡:処理と結果の両方に関係する第3の要因(交絡因子)が、見かけの関係を生んだり隠したりすること。
なぜ無作為化で因果が言えるのか
処理を無作為に割り当てると、年齢や体質など測っていない要因も含めて、群間の違いは偶然の範囲に収まります。すると結果の差は「処理の差」か「偶然」のどちらかで、偶然かどうかは検定で評価できます。観察研究では、処理を選んだ人とそうでない人がもともと違う可能性を排除できません。
処理を無作為に割り当てると、年齢や体質など測っていない要因も含めて、群間の違いは偶然の範囲に収まります。すると結果の差は「処理の差」か「偶然」のどちらかで、偶然かどうかは検定で評価できます。観察研究では、処理を選んだ人とそうでない人がもともと違う可能性を排除できません。
相関が因果でない典型パターン
| パターン | 例 |
|---|---|
| 交絡(擬似相関) | アイスの売上と水難事故:気温が両方を増やす |
| 逆の因果 | 病院に通う人ほど病気が多い:病気だから通う |
| 偶然 | 多くの変数を調べれば、どれかに偶然の相関が出る |
| 選択の偏り | 入院患者だけで2つの病気の関係を調べる |
数値例:シンプソンのパラドックス
治療法A・Bを、軽症・重症の患者で比べた観察データです。
- 軽症:A $18/20=90\%$、B $64/80=80\%$ → Aが上
- 重症:A $24/80=30\%$、B $4/20=20\%$ → Aが上
- 全体:A $42/100=42\%$、B $68/100=68\%$ → Bが上
どちらの層でもAの成功率が高いのに、合計すると逆転します。Aが重症患者に多く使われていたため、「重症度」が交絡因子になっているのです。観察研究では、このように交絡因子で層別したり、回帰分析で調整したりして比べる必要があります。ただし調整できるのは測定した要因だけです。
ひっかけ
- 「大規模な観察研究で強い相関が出たので因果関係が証明された」は誤り。規模は交絡を取り除かない。
- 「実験研究なら必ず因果が言える」も言い過ぎ。無作為化していない実験や、群ごとに扱いが違う実験では交絡が残る。
- 倫理的・物理的に割り当てできない要因(喫煙、性別など)は観察研究でしか調べられない。
得点のコツ
問題文で「誰が処理を決めたか」を探す。研究者が割り当てたなら実験、本人の選択や既存の記録なら観察。観察研究の結論を問う選択肢では、「関連がある」はOK、「効果がある」「原因である」は要注意。交絡を問う問題では、処理と結果の両方に影響する変数を探す。
問題文で「誰が処理を決めたか」を探す。研究者が割り当てたなら実験、本人の選択や既存の記録なら観察。観察研究の結論を問う選択肢では、「関連がある」はOK、「効果がある」「原因である」は要注意。交絡を問う問題では、処理と結果の両方に影響する変数を探す。
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