標本抽出法(統計検定2級 3.2)
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第3章 データの収集の解説記事
標本から母集団を正しく推測するためには、標本の選び方が決定的に重要です。基本は「母集団のどの個体にも、選ばれる確率が決まっている」確率抽出で、その上で費用と精度のバランスを考えて方法を選びます。
主な確率抽出法
- 単純無作為抽出:母集団のすべての個体から、等しい確率で無作為に選ぶ。
- 系統抽出:名簿の最初の1つを無作為に決め、その後は一定間隔(例:20番おき)で選ぶ。
- 層化抽出:母集団を性質の似たグループ(層)に分け、各層から無作為に抽出する。
- 集落(クラスター)抽出:母集団をまとまり(学校、町丁など)に分け、まとまりを無作為に選んでその中を全数調査する。
- 多段抽出:市町村 → 地点 → 世帯のように段階的に無作為抽出する。
精度の違いはどこから来るか
層化抽出は、層の間の違いを抽出の段階で固定してしまうので、推定のばらつきには層内のばらつきしか残りません。そのため「層内は似ていて、層間は異なる」ように層を作ると精度が上がります。集落抽出は逆で、集落内が似た者どうしだと、何人調べても実質的な情報が少なくなり精度が落ちます。集落は「内部が多様で、集落間は似ている」のが理想です。
層化抽出は、層の間の違いを抽出の段階で固定してしまうので、推定のばらつきには層内のばらつきしか残りません。そのため「層内は似ていて、層間は異なる」ように層を作ると精度が上がります。集落抽出は逆で、集落内が似た者どうしだと、何人調べても実質的な情報が少なくなり精度が落ちます。集落は「内部が多様で、集落間は似ている」のが理想です。
方法の比較
| 方法 | 長所 | 短所・注意 |
|---|---|---|
| 単純無作為 | 理論が単純 | 全員の名簿が必要、費用が大きい |
| 系統 | 手間が少ない | 名簿に周期性があると偏る |
| 層化 | 精度が高い、層別の結果も得られる | 層を分ける情報が必要 |
| 集落 | 調査費用が小さい、個人名簿が不要 | 同じ標本サイズなら精度が低いことが多い |
| 多段 | 全国規模の調査に向く | 段数が増えるほど精度が落ちる |
確率抽出でない方法として、調査者が「典型的」と判断して選ぶ有意抽出、性別・年齢などの人数枠を先に決めて埋める割当法、街頭で声をかける便宜的な抽出、自発的な応募があります。いずれも選ばれる確率がわからないため、誤差を評価できません。
数値例:層への標本の割り当て
層の大きさが $5000,\ 3000,\ 2000$ の母集団から $n=200$ を抽出します。
- 比例割当(層の大きさに比例):$100,\ 60,\ 40$
- ネイマン割当(層の大きさ×層の標準偏差 $N_hS_h$ に比例):標準偏差が $10,\ 20,\ 40$ なら、$N_hS_h=50000,\ 60000,\ 80000$ の比で配分し、約 $53,\ 63,\ 84$。ばらつきの大きい層に多く割り当てるほど全体の精度が上がる。
ひっかけ
- 層化と集落の取り違え:「グループをいくつか選び、その中は全員」なら集落、「全グループから少しずつ」なら層化。
- 割当法は各層から人数を確保するが、その中の選び方が無作為でないので層化抽出ではない。
- 「集落抽出は層化抽出より精度が高い」は一般に誤り。集落抽出の利点は費用。
得点のコツ
識別問題は「最初に何を無作為に選んでいるか」に注目する。個人なら単純無作為、グループなら集落、グループごとに個人なら層化、段階的なら多段。「一定間隔」の語があれば系統抽出。
識別問題は「最初に何を無作為に選んでいるか」に注目する。個人なら単純無作為、グループなら集落、グループごとに個人なら層化、段階的なら多段。「一定間隔」の語があれば系統抽出。
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