その他の頻出トピック(偏相関・順位相関・ジニ係数)(統計検定2級 2.5)
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第2章 2変数データの記述の解説記事
2変数データの分野には、相関係数と回帰のほかにも出題される指標がいくつかあります。第3の変数の影響を除く偏相関係数、順位だけを使う順位相関係数、そして分布の不平等さを表すローレンツ曲線とジニ係数です。
偏相関係数
$z$ の影響を除いた $x$ と $y$ の相関:$$r_{xy\cdot z}=\frac{r_{xy}-r_{xz}\,r_{yz}}{\sqrt{1-r_{xz}^2}\,\sqrt{1-r_{yz}^2}}$$
$x$ と $y$ をそれぞれ $z$ で回帰し、その残差どうしの相関を計算するとこの式になります。分子の $r_{xz}r_{yz}$ は「$z$ を経由して生じる見かけの相関」に相当し、それを差し引いています。
数値例:$r_{xy}=0.6,\ r_{xz}=0.8,\ r_{yz}=0.7$ なら、分子 $0.6-0.56=0.04$、分母 $\sqrt{0.36\times0.51}\approx0.428$ で $r_{xy\cdot z}\approx0.09$。$x$ と $y$ の相関のほとんどが $z$ によって生じた擬似相関だったとわかります。
順位相関係数
データを順位に置き換えて計算する相関です。スピアマンの順位相関係数は、順位の差を $d_i$ として $$r_s=1-\frac{6\sum d_i^2}{n(n^2-1)}$$ で求めます(順位データにそのままピアソンの相関係数を当てはめたものと同じ)。例えば $x$ の順位 $1,2,3,4,5$、$y$ の順位 $2,1,4,3,5$ なら $\sum d_i^2=4$、$r_s=1-24/120=0.8$。単調な関係であれば曲線的でも $\pm1$ に近づき、外れ値の影響も受けにくいのが特徴です。ケンドールの順位相関係数は、順序が一致する組と逆になる組の数の差から計算します。
ローレンツ曲線とジニ係数
所得の低い順に並べ、横軸に世帯数の累積比率、縦軸に所得の累積比率をとった曲線がローレンツ曲線。$$G=\frac{\text{完全平等線とローレンツ曲線に挟まれた面積}}{1/2}=1-2\times(\text{曲線の下側の面積})$$
数値例:5世帯の所得 $1,2,3,4,10$(合計20)。累積比率は $0.05,\ 0.15,\ 0.30,\ 0.50,\ 1.00$(図1)。台形の面積の和は $0.2\times(0.05+0.20+0.45+0.80+1.50)/2=0.30$ なので、$G=1-2\times0.30=0.40$。
| 状態 | ローレンツ曲線 | ジニ係数 |
|---|---|---|
| 全員が同じ所得 | 対角線(完全平等線) | 0 |
| 不平等が大きい | 右下に大きくたわむ | 1 に近づく |
| 1人が全所得を独占 | 右端まで 0 に張り付く | $1-1/n$($n$ が大きければほぼ1) |
- ローレンツ曲線は必ず対角線の下側にあり、下に凸。上側に描かれた選択肢は誤り。
- ジニ係数は「曲線の下の面積」ではなく「対角線との間の面積の2倍」。
- 偏相関の分子を $r_{xy}-r_{xz}-r_{yz}$ としない。積を引く。
ジニ係数は、横軸を等間隔に区切った台形の面積の和で計算すると速い。偏相関は分母の $\sqrt{1-r^2}$ を先に計算しておき、最後に割る。
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