時系列データの処理(統計検定2級 1.7)

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第1章 1変数データの記述の解説記事

時間の順に並んだデータは、傾向(トレンド)・季節の繰り返し・偶然の揺れが重なっています。時系列の処理は、それらを分けて「本当の動き」を読み取るための道具です。

主な公式
平均成長率:各期の倍率 $r_1,\dots,r_n$ の幾何平均 $\sqrt[n]{r_1r_2\cdots r_n}-1$
指数化:基準時点の値を 100 として $\dfrac{x_t}{x_0}\times100$
ラスパイレス物価指数:$P_L=\dfrac{\sum p_tq_0}{\sum p_0q_0}\times100$(基準時の数量で重みづけ)
パーシェ物価指数:$P_P=\dfrac{\sum p_tq_t}{\sum p_0q_t}\times100$(比較時の数量で重みづけ)
自己相関係数(ラグ k):$r_k=\dfrac{\sum_{t=1}^{n-k}(x_t-\bar{x})(x_{t+k}-\bar{x})}{\sum_{t=1}^{n}(x_t-\bar{x})^2}$

平均成長率

3年間で +10%、+5%、−5% なら、倍率の積は $1.10\times1.05\times0.95=1.09725$、年平均は $\sqrt[3]{1.09725}\approx1.0314$ → 年約 3.1%。

移動平均

前後の値と平均して偶然の揺れをならします。10, 14, 12, 16, 18, 15, 20 の3項移動平均は 12, 14, 15.33, 16.33, 17.67(最初と最後の1個ずつは計算できない)。

四半期データの季節変動を消すには周期と同じ4項の平均をとりますが、偶数項では中心が時点の間にずれるので、両端を半分の重みにした中心化移動平均 $\dfrac{1}{4}\left(\tfrac12x_{t-2}+x_{t-1}+x_t+x_{t+1}+\tfrac12x_{t+2}\right)$ を使います。20, 30, 25, 45, 24, … の3番目では $(10+30+25+45+12)/4=30.5$。

物価指数の数値例

品目基準時価格 $p_0$比較時価格 $p_t$基準時数量 $q_0$比較時数量 $q_t$
A100120108
B20019057

ラスパイレス:$\dfrac{120\cdot10+190\cdot5}{100\cdot10+200\cdot5}\times100=\dfrac{2150}{2000}\times100=107.5$。パーシェ:$\dfrac{120\cdot8+190\cdot7}{100\cdot8+200\cdot7}\times100=\dfrac{2290}{2200}\times100\approx104.1$。値上がりした A の購入量が減ったので、比較時の数量を使うパーシェの方が低くなっています。

自己相関とコレログラム
$r_k$ は「k 期前の自分」との相関です。横軸 k、縦軸 $r_k$ の棒グラフがコレログラム。周期 4 の季節性があれば $r_4, r_8,\dots$ が大きく出ます。例:3, 5, 7, 5, 3, 5, 7, 5 では $r_1=0,\ r_2=-0.75,\ r_4=0.5$。
ひっかけ
コツ:季節性のあるデータは「前年同期比」か「周期と同じ項数の移動平均」で季節の影響を消してから比べるのが定石です。

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