ばらつきを表す指標(統計検定2級 1.4)
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第1章 1変数データの記述の解説記事
平均が同じでも、値がぎゅっと集まっているデータと広く散らばっているデータでは意味が違います。散らばり具合を1つの数で表すのがばらつきの指標です。
公式
範囲 = 最大値 − 最小値、四分位範囲 IQR $=Q_3-Q_1$
分散:$s^2=\dfrac{1}{n}\sum(x_i-\bar{x})^2=\overline{x^2}-\bar{x}^2$
不偏分散:$u^2=\dfrac{1}{n-1}\sum(x_i-\bar{x})^2$
標準偏差 $s=\sqrt{s^2}$、変動係数 $CV=s/\bar{x}$
範囲 = 最大値 − 最小値、四分位範囲 IQR $=Q_3-Q_1$
分散:$s^2=\dfrac{1}{n}\sum(x_i-\bar{x})^2=\overline{x^2}-\bar{x}^2$
不偏分散:$u^2=\dfrac{1}{n-1}\sum(x_i-\bar{x})^2$
標準偏差 $s=\sqrt{s^2}$、変動係数 $CV=s/\bar{x}$
なぜ2乗するのか・なぜ n−1 なのか
偏差 $x_i-\bar{x}$ はそのまま足すと必ず 0 になるので、2乗して符号を消します。2乗で単位も2乗になるため、元の単位に戻すのが標準偏差です。不偏分散で $n-1$ で割るのは、母平均の代わりに標本平均を使うと偏差平方和が小さめに出る($\bar{x}$ はデータに最も近い点だから)分を補正し、期待値を母分散に一致させるためです。
偏差 $x_i-\bar{x}$ はそのまま足すと必ず 0 になるので、2乗して符号を消します。2乗で単位も2乗になるため、元の単位に戻すのが標準偏差です。不偏分散で $n-1$ で割るのは、母平均の代わりに標本平均を使うと偏差平方和が小さめに出る($\bar{x}$ はデータに最も近い点だから)分を補正し、期待値を母分散に一致させるためです。
数値例:4, 6, 7, 9, 14
- 平均 $\bar{x}=40/5=8$。偏差は −4, −2, −1, 1, 6、偏差平方和 $16+4+1+1+36=58$。
- 分散 $58/5=11.6$、標準偏差 $\sqrt{11.6}\approx3.41$。
- 不偏分散 $58/4=14.5$、その平方根 $\approx3.81$。
- 検算:2乗の平均 $(16+36+49+81+196)/5=75.6$、$75.6-8^2=11.6$ で一致。
| 指標 | 長所 | 注意点 |
|---|---|---|
| 範囲 | 計算が簡単 | 両端の2値だけで決まり外れ値に極端に弱い |
| 四分位範囲 | 外れ値に強い。箱ひげ図の箱の長さ | 中央50%の広がりしか見ない |
| 分散・標準偏差 | 全データを使う。理論(正規分布など)と直結 | 外れ値に弱い。分散は単位が2乗 |
| 変動係数 | 単位や平均の大きさが違う集団の比較 | 比例尺度で平均が正のときのみ意味がある |
変動係数で比べる
A 群:平均 50、標準偏差 10 → $CV=0.20$。B 群:平均 200、標準偏差 30 → $CV=0.15$。標準偏差は B の方が大きいが、平均に対する相対的なばらつきは A の方が大きいと判断します。
変数変換 $y=a+bx$ では、標準偏差は $|b|$ 倍、分散は $b^2$ 倍になり、$a$(平行移動)の影響は受けません(「標準化と変数変換」の記事を参照)。
ひっかけ
- 問題文が「分散」か「不偏分散」かを確認。電卓計算で $n$ と $n-1$ を取り違えるのが最頻出ミス。
- 全データに同じ数を足しても分散・標準偏差は不変だが、変動係数は平均が変わるので変化する。
- 標準偏差どうしを比べて「ばらつきが大きい」と言えるのは、単位と平均の水準がそろっているときだけ。
- 標準偏差は負にならず、0 になるのは全データが同じ値のときだけ。
コツ:手計算は「2乗の平均 − 平均の2乗」が速い。不偏分散が欲しいときは、分散に $n/(n-1)$ を掛けて換算できます。
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