中心を表す指標(代表値)(統計検定2級 1.3)
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第1章 1変数データの記述の解説記事
データを1つの数で要約するとき「どこを中心とみるか」には複数の考え方があります。平均値・中央値・最頻値はそれぞれ得意な場面が違い、分布の形によって大小関係が決まります。
定義
平均値:$\bar{x}=\dfrac{1}{n}\sum_{i=1}^n x_i$
中央値:小さい順に並べた真ん中の値($n$ が偶数なら中央2つの平均)
最頻値:最も多く現れる値(度数分布では度数最大の階級の階級値)
幾何平均:$\sqrt[n]{x_1x_2\cdots x_n}$(正の値、比率・倍率の平均)
調和平均:$\dfrac{n}{\sum 1/x_i}$(速さなど「単位量あたり」の平均)
平均値:$\bar{x}=\dfrac{1}{n}\sum_{i=1}^n x_i$
中央値:小さい順に並べた真ん中の値($n$ が偶数なら中央2つの平均)
最頻値:最も多く現れる値(度数分布では度数最大の階級の階級値)
幾何平均:$\sqrt[n]{x_1x_2\cdots x_n}$(正の値、比率・倍率の平均)
調和平均:$\dfrac{n}{\sum 1/x_i}$(速さなど「単位量あたり」の平均)
なぜ性質が違うのか
平均値は偏差の合計 $\sum(x_i-\bar{x})$ を 0 にする点、つまり分布の「重心」です。遠くの値ほど強く引っぱるので外れ値に弱い。中央値は個数の上で真ん中なだけなので、最大値を 2 倍にしても変わりません(頑健)。
平均値は偏差の合計 $\sum(x_i-\bar{x})$ を 0 にする点、つまり分布の「重心」です。遠くの値ほど強く引っぱるので外れ値に弱い。中央値は個数の上で真ん中なだけなので、最大値を 2 倍にしても変わりません(頑健)。
数値例
データ 2, 3, 3, 5, 7, 10, 40(n=7):平均 $70/7=10$、中央値 5(4番目)、最頻値 3。大きな 40 に引っぱられて平均だけが大きく、「最頻値 < 中央値 < 平均値」となっています。
| 分布の形 | 典型的な大小関係 | 例 |
|---|---|---|
| 左右対称(単峰) | 平均値 ≒ 中央値 ≒ 最頻値 | 身長 |
| 右に裾が長い(正の歪み) | 最頻値 < 中央値 < 平均値 | 所得、貯蓄額、待ち時間 |
| 左に裾が長い(負の歪み) | 平均値 < 中央値 < 最頻値 | 易しい試験の得点、定年時の年齢 |
成長率には幾何平均
売上が1年目に 20% 増、2年目に 10% 減なら、2年間の倍率は $1.2\times0.9=1.08$。年平均の倍率は $\sqrt{1.08}\approx1.0392$、つまり年約 3.9% の成長です。算術平均 $(20-10)/2=5\%$ で2年回すと $1.05^2=1.1025$ となり、実際の 1.08 と合いません。
往路 60 km/h・復路 40 km/h で同じ距離を往復したときの平均の速さは調和平均 $2/(1/60+1/40)=48$ km/h(50 ではない)。
ひっかけ
- 平均成長率を増加率の算術平均で答えるのは誤り。倍率の積の $n$ 乗根から 1 を引く。
- 一般に 算術平均 ≧ 幾何平均 ≧ 調和平均(すべて等しいのは全データが同じ値のときだけ)。
- 大小関係「最頻値・中央値・平均値」は単峰でなだらかな分布での目安で、例外もある。箱ひげ図や度数分布から判断するときは、裾がどちらに長いかを先に確認する。
- 名義尺度で使える代表値は最頻値だけ。
コツ:「平均は裾の方へ引っぱられる」と覚えれば、歪みの向きから大小関係がすぐ出ます。箱ひげ図に平均(+印など)が描かれていれば、平均が中央値より右(上)なら右に裾が長い分布です。
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