共分散と相関係数(統計検定2級 2.2)

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第2章 2変数データの記述の解説記事

散布図で見た「右上がり・右下がり」の傾向を数値にしたのが共分散で、それを単位に左右されない形に標準化したのが相関係数です。回帰・決定係数・和の分散など、2変数の話題はほぼすべてここにつながります。

公式
共分散:$$s_{xy}=\frac{1}{n}\sum_{i=1}^{n}(x_i-\bar x)(y_i-\bar y)$$相関係数:$$r=\frac{s_{xy}}{s_x s_y}=\frac{\sum(x_i-\bar x)(y_i-\bar y)}{\sqrt{\sum(x_i-\bar x)^2}\sqrt{\sum(y_i-\bar y)^2}}$$和の分散:$V(X+Y)=V(X)+V(Y)+2\,\mathrm{Cov}(X,Y)$、差なら $V(X-Y)=V(X)+V(Y)-2\,\mathrm{Cov}(X,Y)$
なぜこの形か
平均を原点にして平面を4つに分けると、右上と左下の点では偏差の積が正、左上と右下では負になります。その平均が共分散なので、右上がりなら正、右下がりなら負になります。ただし共分散は単位(cm×kg など)に依存するため、両者の標準偏差で割って $-1\le r\le 1$ の範囲に収めたのが相関係数です。分母を $n$ にしても $n-1$ にしても、分子と分母で打ち消し合うので $r$ は変わりません。

相関係数の性質

操作共分散相関係数
$x\to ax+b$($a\gt 0$)$a$ 倍変わらない
$x\to ax+b$($a\lt 0$)$a$ 倍(符号反転)符号だけ反転
$x$ も $y$ も定数を足す変わらない変わらない
単位を cm → m1/100 倍変わらない

$r=\pm1$ になるのは、すべての点が1本の直線上に並ぶときに限られます。

数値例

$x=2,4,6,8,10$、$y=3,7,5,11,9$ とします。$\bar x=6,\ \bar y=7$。偏差は $x$ が $-4,-2,0,2,4$、$y$ が $-4,0,-2,4,2$。偏差積の和は $16+0+0+8+8=32$、偏差平方和はどちらも $40$。よって
$s_{xy}=32/5=6.4$、$s_x^2=s_y^2=8$、$r=32/\sqrt{40\cdot40}=0.8$。
和 $x+y$ の分散は $8+8+2\times6.4=28.8$ で、実際に $x+y=5,11,11,19,19$ から計算した分散 $144/5=28.8$ と一致します。

ひっかけ
得点のコツ
要約統計量から求める問題では、$s_{xy}=r\,s_x s_y$ の形で使うことが多い。また、単回帰の決定係数は $R^2=r^2$ なので、$r=-0.7$ なら $R^2=0.49$。逆に $R^2$ から $r$ を戻すときは、符号を回帰直線の傾きから決める。

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