一元配置分散分析(ANOVA)(統計検定2級 10.3)
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第10章 線形モデルの解説記事
一元配置分散分析は、3つ以上のグループの母平均がすべて等しいかどうかを1回の検定で調べる方法です。名前に「分散」とあるのは、データ全体のばらつきを「グループ間の差によるもの」と「グループ内の偶然のばらつき」に分けて、その大きさを比べるからです。
一元配置分散分析($k$ 群、全データ数 $N$)
$H_0:\mu_1=\mu_2=\dots=\mu_k$、$H_1$:少なくとも1組は異なる
総平方和 $S_T=\sum_i\sum_j(y_{ij}-\bar{y})^2$ = 群間平方和 $S_A=\sum_i n_i(\bar{y}_i-\bar{y})^2$ + 群内平方和 $S_E=\sum_i\sum_j(y_{ij}-\bar{y}_i)^2$
$F=\dfrac{S_A/(k-1)}{S_E/(N-k)}=\dfrac{V_A}{V_E}\sim F(k-1,\ N-k)$
$H_0:\mu_1=\mu_2=\dots=\mu_k$、$H_1$:少なくとも1組は異なる
総平方和 $S_T=\sum_i\sum_j(y_{ij}-\bar{y})^2$ = 群間平方和 $S_A=\sum_i n_i(\bar{y}_i-\bar{y})^2$ + 群内平方和 $S_E=\sum_i\sum_j(y_{ij}-\bar{y}_i)^2$
$F=\dfrac{S_A/(k-1)}{S_E/(N-k)}=\dfrac{V_A}{V_E}\sim F(k-1,\ N-k)$
なぜ平均の比較に分散の比を使うのか
群内の平均平方 $V_E$ は、$H_0$ が正しくても正しくなくても誤差分散 $\sigma^2$ を推定します。群間の平均平方 $V_A$ は、$H_0$ が正しければやはり $\sigma^2$ 程度ですが、平均に差があるとその分だけ大きくなります。だから $F=V_A/V_E$ が 1 より十分大きければ「平均に差がある」と判断でき、棄却域は上側だけにとります。
群内の平均平方 $V_E$ は、$H_0$ が正しくても正しくなくても誤差分散 $\sigma^2$ を推定します。群間の平均平方 $V_A$ は、$H_0$ が正しければやはり $\sigma^2$ 程度ですが、平均に差があるとその分だけ大きくなります。だから $F=V_A/V_E$ が 1 より十分大きければ「平均に差がある」と判断でき、棄却域は上側だけにとります。
| 要因 | 平方和 | 自由度 | 平均平方 | F 値 |
|---|---|---|---|---|
| 群間 | $S_A$ | $k-1$ | $V_A=S_A/(k-1)$ | $V_A/V_E$ |
| 群内(残差) | $S_E$ | $N-k$ | $V_E=S_E/(N-k)$ | |
| 全体 | $S_T$ | $N-1$ |
数値例
3群・各4個。A:5, 6, 7, 6(平均6)、B:8, 9, 7, 8(平均8)、C:9, 10, 11, 10(平均10)、全体平均 8。
- $S_A=4\times\{(6-8)^2+0^2+(10-8)^2\}=32$、自由度 $3-1=2$、$V_A=16$
- $S_E$:各群とも $1+0+1+0=2$ で合計 6、自由度 $12-3=9$、$V_E\approx0.667$
- $F=16/0.667=24.0$。$F_{0.05}(2,9)=4.26$、$F_{0.01}(2,9)=8.02$ をいずれも超え、1% 水準でも「平均に差がある」
- $S_T=32+6=38$、自由度 $11=2+9$ で分解が確認できます。
ひっかけ
- 群間の自由度を「群の数」、群内を「$N-1$」とするミス。正しくは $k-1$ と $N-k$ で、合計が $N-1$。
- F 値を平方和の比 $S_A/S_E$ で計算してしまう。平均平方(平方和÷自由度)の比です。
- 有意になっても「どの群とどの群が違うか」まではわかりません。
- 前提は、各群が正規分布に従い、分散が等しく、観測が独立であることです。
得点のコツ
分散分析表の空欄補充は「平方和も自由度も縦に足し算」「平均平方=平方和÷自由度」「F=上の平均平方÷下の平均平方」の3つで埋まります。群の数と全データ数から自由度を先に確定させましょう。2群のときの分散分析は等分散を仮定した2標本 t 検定と同じで、$F=t^2$ が成り立ちます。
分散分析表の空欄補充は「平方和も自由度も縦に足し算」「平均平方=平方和÷自由度」「F=上の平均平方÷下の平均平方」の3つで埋まります。群の数と全データ数から自由度を先に確定させましょう。2群のときの分散分析は等分散を仮定した2標本 t 検定と同じで、$F=t^2$ が成り立ちます。
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