第2章 2変数データの記述の練習問題(統計検定2級)

このページはプロモーション(広告)を含みます。

統計検定2級の第2章「2変数データの記述」の練習問題 8 問です。本番と同じ5択です。解答と解説は各問の下を開くと読めます。アプリでは数値表と電卓を使いながら解け、間違えた問題を復習できます。

問2-1 相関係数の計算

ある学習塾で、生徒5人について1週間の自習時間 $x$(時間)と小テストの得点 $y$(点)を調べたところ、次のとおりであった。

生徒ABCDE
自習時間 $x$12345
得点 $y$74131016

(図:自習時間と得点の散布図。アプリで表示されます)

自習時間と得点の相関係数として最も適切なものを、次の①〜⑤のうちから一つ選べ。

  1. ① 0.27
  2. ② 0.64
  3. ③ 0.80
  4. ④ 0.89
  5. ⑤ 2.40
解答と解説を見る

正解:④

Step 1 平均を求める

$$\bar{x}=\frac{1+2+3+4+5}{5}=3,\qquad \bar{y}=\frac{7+4+13+10+16}{5}=\frac{50}{5}=10$$

Step 2 偏差の表を作る

ABCDE計
$x-\bar{x}$−2−10120
$y-\bar{y}$−3−63060
$(x-\bar{x})^2$4101410
$(y-\bar{y})^2$936903690
$(x-\bar{x})(y-\bar{y})$66001224

Step 3 相関係数の公式に入れる

$$r=\frac{\sum(x-\bar{x})(y-\bar{y})}{\sqrt{\sum(x-\bar{x})^2}\sqrt{\sum(y-\bar{y})^2}}=\frac{24}{\sqrt{10}\sqrt{90}}=\frac{24}{\sqrt{900}}=\frac{24}{30}=0.80$$

よって③が正解。分子・分母とも $n$(または $n-1$)で割っても約分されるので、偏差平方和・偏差積和のまま計算してよい。

電卓手順 10×90=900、√ で 30。24÷30=0.8。平方根は掛けてから1回取ると計算が楽。
誤答のパターン ⑤は $24/10=2.4$ で、これは相関係数ではなく回帰直線の傾き($y$ を $x$ に回帰したとき)。①は $24/90$ で、$x$ を $y$ に回帰したときの傾き。②は $r^2=0.64$(決定係数)。④は $\sqrt{0.8}$ で、平方根の取り方を誤ったもの。

問2-2 相関係数の性質

ある地域の 40 世帯について、世帯の月間電力使用量 $x$(kWh)と月間電気料金 $y$(円)を調べたところ、相関係数は 0.8 であった。

次の記述 (ア)〜(ウ) について、正誤の組合せとして最も適切なものを、次の①〜⑤のうちから一つ選べ。

(ア) 各世帯の $x$ の値をすべて $-2$ 倍した新しい変数 $u=-2x$ と $y$ の相関係数は $-0.8$ である。
(イ) 一般に、2つの変数の相関係数が 0 であれば、その2変数の間にはどのような関係もない。
(ウ) $x$ と $y$ をそれぞれ標準化した変数 $z_x$、$z_y$ の共分散は 0.8 に等しい。

  1. ① (ア)のみ正しい
  2. ② (ウ)のみ正しい
  3. ③ (イ)と(ウ)のみ正しい
  4. ④ (ア)と(ウ)のみ正しい
  5. ⑤ (ア)、(イ)、(ウ)すべて正しい
解答と解説を見る

正解:⑤

Step 1 一次変換に対する相関係数の振る舞い

$u=ax+b$、$v=cy+d$ とすると、共分散は $s_{uv}=ac\,s_{xy}$、標準偏差は $s_u=|a|s_x$、$s_v=|c|s_y$。したがって

$$r_{uv}=\frac{ac\,s_{xy}}{|a||c|\,s_x s_y}=\frac{ac}{|ac|}\,r_{xy}$$

つまり $ac\gt 0$ なら $r$ は不変、$ac\lt 0$ なら符号だけ反転する。

Step 2 各記述を検討する

(ア)正しい。$a=-2$、$c=1$ なので $ac\lt 0$、相関係数は $-0.8$ になる。「絶対値は不変・符号は反転」。
(イ)誤り。相関係数は直線的な関係の強さを測る指標。たとえば $y=x^2$ のような U 字型の関係では $r=0$ 付近になるが、明らかに関係はある。「無相関 ⇒ 無関係」とはいえない。
(ウ)正しい。標準化した変数は標準偏差が 1 なので、$r_{z_xz_y}=\dfrac{s_{z_xz_y}}{1\times 1}=s_{z_xz_y}$。また標準化は $a=1/s_x\gt 0$ の一次変換なので相関係数は変わらず 0.8。よって共分散も 0.8。

よって (ア)(ウ) が正しく、④が正解。

誤答のパターン ①②は「相関係数はどんな一次変換でも不変」と覚えていて (ア) または (ウ) の一方を落としたもの(負の倍率では符号が変わる)。③⑤は「無相関=無関係」と誤解したもの。

問2-3 回帰直線による予測

ある海の家で、夏の20日間について日中の最高気温 $x$(℃)とかき氷の販売数 $y$(個)を記録した。要約統計量は次のとおりであった。

平均標準偏差
最高気温 $x$(℃)304
販売数 $y$(個)16025

$x$ と $y$ の相関係数は 0.8 であった。$y$ を $x$ に回帰した最小二乗法による回帰直線を用いて、最高気温が 34℃ の日の販売数を予測するとき、その予測値として最も適切なものを、次の①〜⑤のうちから一つ選べ。

  1. ① 160.5個
  2. ② 163.2個
  3. ③ 180.0個
  4. ④ 185.0個
  5. ⑤ 330.0個
解答と解説を見る

正解:④

Step 1 傾きを相関係数と標準偏差から求める

最小二乗法による回帰直線 $\hat{y}=a+bx$ の傾きは $b=\dfrac{s_{xy}}{s_x^2}=r\dfrac{s_y}{s_x}$。

$$b=0.8\times\frac{25}{4}=0.8\times6.25=5.0$$

気温が 1℃ 上がると販売数が平均 5 個増える、という意味。

Step 2 切片を「回帰直線は $(\bar{x},\bar{y})$ を通る」から求める

$$a=\bar{y}-b\bar{x}=160-5\times30=10$$

回帰直線は $\hat{y}=10+5x$。

Step 3 $x=34$ を代入する

$$\hat{y}=10+5\times34=180.0$$

よって③が正解。平均からの差で考えて $160+5\times(34-30)=180$ としても同じ。

誤答のパターン ②は傾きを相関係数そのもの(0.8)として $160+0.8\times4$ としたもの。④は相関係数を掛け忘れ $b=s_y/s_x=6.25$ としたもの($160+6.25\times4$)。①は $s_x/s_y$ を逆に掛けて $b=0.128$ としたもの。⑤は切片を考えず $\bar{y}+b\times x=160+5\times34$ と計算したもの。

問2-4 決定係数と相関係数

ある通販サイトで、商品12種類について価格 $x$(千円)と月間販売数 $y$(個)の関係を調べ、$y$ を $x$ に回帰した。得られた回帰直線の傾きは $-2.5$ であり、平方和の分解は次のとおりであった。

平方和
回帰による平方和320
残差平方和180
総平方和500

価格と月間販売数の相関係数として最も適切なものを、次の①〜⑤のうちから一つ選べ。

  1. ① −0.80
  2. ② −0.64
  3. ③ −0.60
  4. ④ 0.64
  5. ⑤ 0.80
解答と解説を見る

正解:②

Step 1 決定係数を求める

決定係数は「総平方和のうち回帰で説明できた割合」。

$$R^2=\frac{\text{回帰平方和}}{\text{総平方和}}=\frac{320}{500}=0.64\qquad\left(=1-\frac{180}{500}\right)$$

Step 2 単回帰では $R^2=r^2$

$$|r|=\sqrt{0.64}=0.8$$

Step 3 符号は回帰直線の傾きと同じ

傾きが $-2.5\lt 0$ なので相関係数は負。$r=-0.80$、よって①が正解。価格が高い商品ほど販売数が少ない、という関係。

誤答のパターン ⑤は符号を見落としたもの(決定係数からは絶対値しか分からない)。②④は決定係数 0.64 をそのまま相関係数としたもの。③は残差の割合 $180/500=0.36$ の平方根 0.6 に負号を付けたもの。

問2-5 オッズ比の計算

ある地域の成人500人を対象に、喫煙習慣の有無とある呼吸器疾患の有無を調べたところ、次の分割表が得られた。

疾患あり疾患なし計
喫煙者40160200
非喫煙者15285300
計55445500

非喫煙者に対する喫煙者の「疾患あり」のオッズ比として最も適切なものを、次の①〜⑤のうちから一つ選べ。

  1. ① 0.21
  2. ② 1.50
  3. ③ 2.67
  4. ④ 4.00
  5. ⑤ 4.75
解答と解説を見る

正解:⑥

Step 1 それぞれの群のオッズを求める

オッズは「起こる確率 ÷ 起こらない確率」で、分割表では「あり ÷ なし」の比そのもの。

$$\text{喫煙者のオッズ}=\frac{40}{160}=0.25,\qquad \text{非喫煙者のオッズ}=\frac{15}{285}\fallingdotseq 0.0526$$

Step 2 オッズの比を取る

$$\text{オッズ比}=\frac{40/160}{15/285}=\frac{40\times285}{160\times15}=\frac{11400}{2400}=4.75$$

よって⑤が正解。「喫煙者は非喫煙者に比べ、疾患ありのオッズが 4.75 倍」と解釈する。

電卓手順 たすき掛け $ad/(bc)$ を使うと速い:40×285=11400、160×15=2400、11400÷2400=4.75。
誤答のパターン ④はリスク比(相対リスク)$\dfrac{40/200}{15/300}=\dfrac{0.20}{0.05}=4.0$ で、オッズ比とは別の指標。①は分子・分母を逆にした $1/4.75$(喫煙者に対する非喫煙者のオッズ比)。③は疾患ありの人数の比 $40/15$。②はたすき掛けの向きを誤った $\dfrac{40\times160}{15\times285}$。

問2-6 相関と因果・擬似相関

ある海水浴場のある地域について、過去5年間の月別データ(60か月分)を用いて、アイスクリームの月間販売額 $x$ と月間の水難事故件数 $y$ の関係を調べたところ、相関係数は 0.85 と強い正の相関を示した。

この結果の解釈として最も適切なものを、次の①〜⑤のうちから一つ選べ。

  1. ① 相関係数が 1 に近いので、アイスクリームの販売を制限すれば水難事故を減らすことができる。
  2. ② 気温や海水浴客数のような共通の要因によって両者が同時に増減するために生じた、見かけ上の相関である可能性がある。
  3. ③ 相関係数が 0.85 と十分に大きいので、第3の変数の影響は考慮しなくてよい。
  4. ④ 月別ではなく日別のデータを用いれば、このような見かけ上の相関は必ず解消される。
  5. ⑤ 見かけ上の相関(擬似相関)では相関係数は必ず負になるので、この相関は擬似相関ではない。
解答と解説を見る

正解:③

Step 1 何が起きているかを考える

アイスクリームの販売額も水難事故件数も、夏に多く冬に少ない。つまり気温(季節)や海水浴客数という第3の変数が両方を動かしている。このとき $x$ と $y$ の間に直接の因果関係がなくても強い相関が現れる。これが擬似相関(見かけ上の相関)で、第3の変数を交絡因子という。

Step 2 各選択肢を検討する

①誤り。相関は因果を意味しない。アイスを制限しても気温は変わらないので、水難事故は減らない。
②正しい。共通の要因(気温・客数)による見かけ上の相関を疑うのが適切な解釈。
③誤り。相関係数が大きいことは、第3の変数の影響を否定する根拠にならない。むしろ強い擬似相関ほど「もっともらしく」見えるので注意が必要。
④誤り。日別にしても気温の影響は同じように残る。擬似相関を検討するには第3の変数を測定して層別や偏相関係数で除く必要がある。
⑤誤り。擬似相関の符号は正にも負にもなる。共通要因が両者を同じ方向に動かせば正の相関になる。
誤答のパターン ①③は「強い相関=因果」という最も典型的な誤解。④⑤は擬似相関の定義を取り違えたもの。

問2-7 偏相関係数の計算

ある小学校の児童200人について、身長 $x$、計算テストの得点 $y$、年齢 $z$(月齢)を調べ、各変数間の相関係数を求めたところ次のとおりであった。

身長 $x$得点 $y$年齢 $z$
身長 $x$10.60.8
得点 $y$0.610.6
年齢 $z$0.80.61

年齢 $z$ の影響を取り除いた、身長 $x$ と得点 $y$ の偏相関係数として最も適切なものを、次の①〜⑤のうちから一つ選べ。

  1. ① 0.25
  2. ② 0.33
  3. ③ 0.42
  4. ④ 0.52
  5. ⑤ 0.60
解答と解説を見る

正解:②

Step 1 偏相関係数の公式

$$r_{xy\cdot z}=\frac{r_{xy}-r_{xz}\,r_{yz}}{\sqrt{1-r_{xz}^2}\,\sqrt{1-r_{yz}^2}}$$

分子は「$x,y$ の相関から、$z$ を経由して生じる分 $r_{xz}r_{yz}$ を引いたもの」、分母は「$z$ で説明できない部分の大きさ」で割って規格化している。

Step 2 数値を代入する

$$\text{分子}=0.6-0.8\times0.6=0.6-0.48=0.12$$$$\text{分母}=\sqrt{1-0.64}\times\sqrt{1-0.36}=\sqrt{0.36}\times\sqrt{0.64}=0.6\times0.8=0.48$$$$r_{xy\cdot z}=\frac{0.12}{0.48}=0.25$$

よって①が正解。年齢の影響を除くと身長と計算力の相関はかなり弱まる(0.6 → 0.25)ので、元の相関の大部分は「年齢が上がると身長も計算力も伸びる」ことによる擬似相関だったと解釈できる。

電卓手順 0.8×0.6=0.48 → 0.6−0.48=0.12(分子)。1−0.8²=0.36、√=0.6。1−0.6²=0.64、√=0.8。0.6×0.8=0.48。0.12÷0.48=0.25。
誤答のパターン ⑤は $z$ を考慮しない元の相関係数 0.6。②は分母を $1-r_{xz}^2=0.36$ だけにしたもの。④は分母の平方根を取らず $0.36\times0.64=0.2304$ で割ったもの。③は分母を $\sqrt{(1-0.8)(1-0.6)}=\sqrt{0.08}$ として(2乗を忘れて)計算したもの。

問2-8 ローレンツ曲線とジニ係数

ある町の5世帯の年間所得(万円)を調べたところ、次のとおりであった。

世帯ABCDE
年間所得100200300500900

横軸に世帯の累積相対度数(所得の低い順)、縦軸に所得の累積相対度数をとってローレンツ曲線を描き、ジニ係数を求めた。ジニ係数の値として最も適切なものを、次の①〜⑤のうちから一つ選べ。

  1. ① 0.19
  2. ② 0.31
  3. ③ 0.38
  4. ④ 0.45
  5. ⑤ 0.62
解答と解説を見る

正解:④

Step 1 所得の累積相対度数を求める

所得合計は $100+200+300+500+900=2000$。低い順に累積する。

世帯の累積相対度数 $F$00.20.40.60.81.0
所得の累積(万円)010030060011002000
所得の累積相対度数 $L$00.050.150.300.551.00

Step 2 ローレンツ曲線の下側の面積を台形で求める

各区間の幅は 0.2。台形の面積 $=$ 幅 $\times$(左の高さ + 右の高さ)$/2$ の和:

$$\frac{0.2}{2}\{(0+0.05)+(0.05+0.15)+(0.15+0.30)+(0.30+0.55)+(0.55+1.00)\}=0.1\times3.10=0.31$$

Step 3 ジニ係数 = 均等分布線との間の面積の2倍

均等分布線(45度線)の下側の面積は 0.5。曲線との間の面積は $0.5-0.31=0.19$。ジニ係数はこれを2倍して

$$G=2\times0.19=0.38$$

よって③が正解。

誤答のパターン ①は曲線と45度線の間の面積 0.19 を2倍し忘れたもの。②は曲線の下側の面積 0.31 をそのまま答えたもの。⑤は $2\times0.31=0.62$ で、「引く」と「2倍する」の順序を誤ったもの($1-G$ に相当)。④は最上位世帯の所得シェア 0.45 で、ジニ係数ではない。

統計検定2級 合格ナビ:統計検定2級の問題集アプリ。本番と同じ5択・数値表と電卓で解くオリジナル問題173問と、35問90分の模擬試験。解説記事・公式集・数値表と第1・2章の問題は登録なしで無料。全問は1,480円の買い切り。

アプリを無料で開く有料版と無料版の違い