第1章 1変数データの記述の練習問題(統計検定2級)

このページはプロモーション(広告)を含みます。

統計検定2級の第1章「1変数データの記述」の練習問題 8 問です。本番と同じ5択です。解答と解説は各問の下を開くと読めます。アプリでは数値表と電卓を使いながら解け、間違えた問題を復習できます。

問1-1 尺度水準の判別

あるカフェが来店客に対してアンケート調査を行い、次の項目を記録した。

これらの項目の尺度水準に関する次の記述 (ア)〜(ウ) について、正誤の組合せとして最も適切なものを、次の①〜⑤のうちから一つ選べ。

(ア) 郵便番号は数値として記録されているので、間隔尺度である。
(イ) 満足度の5段階評価は順序尺度であり、代表値として中央値を用いることができる。
(ウ) 最高気温(℃)は間隔尺度であり、「20℃の日は10℃の日の2倍暖かい」という比の解釈はできない。

  1. ① (ア)のみ正しい
  2. ② (イ)のみ正しい
  3. ③ (ア)と(イ)のみ正しい
  4. ④ (イ)と(ウ)のみ正しい
  5. ⑤ (ア)、(イ)、(ウ)すべて正しい
解答と解説を見る

正解:⑤

Step 1 各項目の尺度水準を判定する

項目尺度理由
郵便番号名義尺度数字は地域の「ラベル」にすぎず、大小・差・比のいずれにも意味がない
満足度(5段階)順序尺度1<2<3 の順序には意味があるが、「1と2の差」と「4と5の差」が等しい保証はない
最高気温(℃)間隔尺度差(何℃高いか)には意味があるが、0℃は「暖かさが無い」ではないので比に意味がない
来店回数比例尺度0回は「来店が無い」を意味する絶対的な原点があり、「2倍」に意味がある

Step 2 各記述を照合する

(ア)誤り。郵便番号は数字で書かれていても名義尺度。「郵便番号の平均」に意味がないことからも分かる。
(イ)正しい。順序尺度では並べ替えができるので中央値(と最頻値)が使える。平均値は本来は不適切。
(ウ)正しい。摂氏温度は原点が便宜的なので間隔尺度。差は意味を持つが比は意味を持たない。

よって (イ) と (ウ) が正しく、④が正解。

誤答のパターン ①・③・⑤は「数字で記録されている=量的データ」と誤解して(ア)を正しいとしたもの。②は摂氏温度を比例尺度と取り違えて(ウ)を誤りとしたもの。

問1-2 度数分布表の読み取り

ある会社の従業員50人について、片道の通勤時間(分)を調べ、度数分布表とヒストグラムにまとめた。

階級(分)0以上20未満20以上40未満40以上60未満60以上80未満80以上100未満計
度数(人)814159450
通勤時間のヒストグラム
通勤時間(分)度数(人)
0以上20未満8
20以上40未満14
40以上60未満15
60以上80未満9
80以上100未満4

各階級の階級値(階級の中央の値)を用いて求めた通勤時間の平均値と、中央値が含まれる階級の組合せとして最も適切なものを、次の①〜⑤のうちから一つ選べ。

  1. ① 平均値 34.8分、中央値の階級 20以上40未満
  2. ② 平均値 44.8分、中央値の階級 20以上40未満
  3. ③ 平均値 44.8分、中央値の階級 40以上60未満
  4. ④ 平均値 50.0分、中央値の階級 40以上60未満
  5. ⑤ 平均値 54.8分、中央値の階級 60以上80未満
解答と解説を見る

正解:④

Step 1 階級値を決める

階級値は各階級の下限と上限の中央。0〜20 なら 10、以下 30、50、70、90。

Step 2 平均値を「階級値×度数」の合計÷n で求める

階級値1030507090計
度数814159450
階級値×度数804207506303602240
$$\bar{x}=\frac{2240}{50}=44.8\ \text{分}$$

Step 3 累積度数で中央値の位置を探す

$n=50$ なので中央値は小さい方から 25 番目と 26 番目の平均。累積度数は 8 → 22 → 37 → 46 → 50。22 番目までが「40未満」、37 番目までが「60未満」なので、25・26 番目はどちらも 40以上60未満 の階級に入る。

よって③が正解。

電卓手順 10×8=、M+、30×14=、M+、…と階級ごとに積を求めてメモリーに足し、最後に 50 で割る。
誤答のパターン ①は階級値の代わりに各階級の下限(0, 20, 40, …)を使った値(1740÷50=34.8)。⑤は上限を使った値(2740÷50=54.8)で、中央値の階級もずらしている。④は度数を無視して階級値 5 個の単純平均 (10+30+50+70+90)÷5=50 を取ったもの。②は平均は正しいが、中央値を「累積度数が最初に 20 を超える階級」と取り違えたもの。

問1-3 分散・標準偏差の計算

ある部署の5人の従業員について、先月の残業時間(時間)を調べたところ次のとおりであった。

従業員ABCDE
残業時間4791218

この5人の残業時間の標準偏差として最も適切なものを、次の①〜⑤のうちから一つ選べ。ただし、分散は偏差の2乗の平均(偏差の2乗和をデータ数 $n$ で割ったもの)として定義する。

  1. ① 4.00
  2. ② 4.77
  3. ③ 5.34
  4. ④ 22.8
  5. ⑤ 28.5
解答と解説を見る

正解:③

Step 1 平均を求める

$$\bar{x}=\frac{4+7+9+12+18}{5}=\frac{50}{5}=10$$

Step 2 偏差とその2乗を表にする

$x$4791218計
偏差 $x-\bar{x}$−6−3−1280
偏差の2乗3691464114

偏差の合計が 0 になることを確認すると計算ミスに気づける。

Step 3 分散 → 平方根で標準偏差

$$s^2=\frac{114}{5}=22.8,\qquad s=\sqrt{22.8}\fallingdotseq 4.77$$

よって②が正解。

電卓手順 偏差を使わず $\dfrac{\sum x^2}{n}-\bar{x}^2$ でも求められる:$\sum x^2=16+49+81+144+324=614$、$614/5-10^2=122.8-100=22.8$。最後に √ キーを押す。
誤答のパターン ④は分散のまま平方根を取り忘れたもの。③は $n-1=4$ で割った不偏分散 28.5 の平方根、⑤はその不偏分散そのもの。①は偏差の絶対値の平均 (6+3+1+2+8)÷5=4.0(平均偏差)で、標準偏差ではない。

問1-4 箱ひげ図の読み取り

ある小売チェーンの店舗Aと店舗Bについて、ある月の日別売上高(万円、各30日分)を箱ひげ図に表したものが次の図である。ひげの端は、四分位範囲の1.5倍の範囲内にある最小値・最大値を表し、その範囲の外の値は外れ値として点で示している。

(図:日別売上高の箱ひげ図。アプリで表示されます)

この図から読み取れることに関する次の記述 (ア)〜(ウ) について、正誤の組合せとして最も適切なものを、次の①〜⑤のうちから一つ選べ。

(ア) 店舗Aの四分位範囲は、店舗Bの四分位範囲の2倍より大きい。
(イ) 店舗Bで日別売上高が30万円以上であった日は、およそ全体の4分の1である。
(ウ) 店舗Aの日別売上高の平均値は26万円である。

  1. ① (ア)と(イ)のみ正しい
  2. ② (ア)のみ正しい
  3. ③ (イ)のみ正しい
  4. ④ (イ)と(ウ)のみ正しい
  5. ⑤ (ア)と(ウ)のみ正しい
解答と解説を見る

正解:②

Step 1 図から五数要約を読み取る

最小値$Q_1$中央値$Q_3$最大値(ひげ)外れ値四分位範囲
店舗A1220263448なし34−20=14
店舗B18242730385530−24=6

Step 2 各記述を検討する

(ア)正しい。A の四分位範囲 14 は B の 6 の2倍(12)より大きい。
(イ)正しい。B の第3四分位数が 30 なので、30 以上の日は上位およそ 25%(30日中およそ 7〜8 日)。外れ値 55 もこの 25% の中に含まれている。
(ウ)誤り。26 は中央値。箱ひげ図から平均値は読み取れない。分布が対称でなければ平均と中央値は一般に一致しない。

よって (ア)(イ) が正しく、①が正解。

誤答のパターン ④⑤は箱の中の線を平均値と誤解したもの。②③は四分位範囲を「箱の長さ」ではなく「ひげを含めた全体の長さ(範囲)」で比べてしまい、A:36、B:20 で「2倍より大きい」を誤りと判定したか、$Q_3$ の意味(上位25%の境界)を取り違えたもの。

問1-5 標準化と偏差値

ある高校で実施した模擬試験の数学の得点は、受験者全体で平均 62 点、標準偏差 12 点であった。生徒 K の数学の得点は 80 点であった。

生徒 K の数学の偏差値として最も適切なものを、次の①〜⑤のうちから一つ選べ。

  1. ① 35
  2. ② 51.5
  3. ③ 62.5
  4. ④ 65
  5. ⑤ 68
解答と解説を見る

正解:⑤

Step 1 標準化して z 得点を求める

$$z=\frac{x-\bar{x}}{s}=\frac{80-62}{12}=\frac{18}{12}=1.5$$

「平均より標準偏差 1.5 個分高い」という意味。

Step 2 偏差値に変換する

$$\text{偏差値}=50+10z=50+10\times1.5=65$$

よって④が正解。

電卓手順 80−62=18、÷12=1.5、×10=15、+50=65。
誤答のパターン ②は $z$ に 10 を掛け忘れて $50+1.5$ としたもの。⑤は標準偏差で割らずに $50+(80-62)$ としたもの。①は符号を逆にして $50-15$ としたもの。③は $50+(80-62)/12\times 10$ の計算途中で $18/12$ を 1.25 と誤ったもの($50+12.5$)。

問1-6 変数変換と平均・標準偏差

ある都市の夏の30日間について、日中の最高気温を摂氏(℃)で記録したところ、平均は 30.0℃、標準偏差は 4.0℃ であった。

摂氏温度 $C$ と華氏温度 $F$ の間には $F=1.8C+32$ の関係がある。この30日間の最高気温を華氏で表したときの平均と標準偏差の組合せとして最も適切なものを、次の①〜⑤のうちから一つ選べ。

  1. ① 平均 54.0°F、標準偏差 7.2°F
  2. ② 平均 86.0°F、標準偏差 4.0°F
  3. ③ 平均 86.0°F、標準偏差 39.2°F
  4. ④ 平均 86.0°F、標準偏差 51.84°F
  5. ⑤ 平均 86.0°F、標準偏差 7.2°F
解答と解説を見る

正解:⑥

Step 1 一次変換の公式を思い出す

$y=ax+b$ と変換すると、平均は $\bar{y}=a\bar{x}+b$(定数の足し算も掛け算も両方反映される)、標準偏差は $s_y=|a|s_x$(足し算 $b$ はばらつきに影響しない)。分散は $a^2 s_x^2$。

Step 2 平均を変換する

$$\bar{F}=1.8\times 30.0+32=54+32=86.0$$

Step 3 標準偏差を変換する

$$s_F=1.8\times 4.0=7.2$$

よって⑤が正解。

なぜ 32 を足さないのか 全員の値に同じ数を足しても、値どうしの差(散らばり)は変わらないから。平均からの偏差 $F_i-\bar{F}=1.8(C_i-\bar{C})$ に 32 は現れない。
誤答のパターン ①は平均に 32 を足し忘れたもの。②は標準偏差を変換しなかったもの。③は標準偏差にも $+32$ をしてしまったもの(7.2+32)。④は分散 $1.8^2\times 16=51.84$ を標準偏差と取り違えたもの。

問1-7 幾何平均と年平均成長率

あるベンチャー企業の売上高(百万円)の推移は次のとおりであった。

年20202021202220232024
売上高50.0080.0072.00129.60103.68

(図:売上高の推移。アプリで表示されます)

2020年から2024年までの4年間における売上高の年平均成長率として最も適切なものを、次の①〜⑤のうちから一つ選べ。

  1. ① 15.7%
  2. ② 20.0%
  3. ③ 26.8%
  4. ④ 27.5%
  5. ⑤ 44.0%
解答と解説を見る

正解:③

Step 1 各年の成長率(対前年比)を求める

2021202220232024
対前年比80/50=1.6072/80=0.90129.6/72=1.80103.68/129.6=0.80
成長率+60%−10%+80%−20%

Step 2 「平均成長率」は対前年比の幾何平均で求める

成長率は掛け算で積み重なるので、算術平均ではなく幾何平均を使う。4年間の総倍率は

$$\frac{103.68}{50.00}=2.0736=1.60\times0.90\times1.80\times0.80$$

年平均の倍率 $g$ は $g^4=2.0736$ を満たす。

Step 3 電卓で4乗根を求める

√ キーを2回押せば4乗根になる:$\sqrt{2.0736}=1.44$、$\sqrt{1.44}=1.20$。よって $g=1.20$、年平均成長率は 20.0%。

確認:$50\times1.2^4=50\times2.0736=103.68$ ✓。よって②が正解。

誤答のパターン ④は4つの成長率の算術平均 (60−10+80−20)/4=27.5% で、実際にこの率で4年成長させると 50×1.275⁴≒132 となり 103.68 に合わない。③は総成長率 107.36% を単純に 4 で割ったもの。①は「データが5年分」と数えて5乗根 $2.0736^{1/5}\fallingdotseq 1.157$ を取ったもの。⑤は √ を1回しか押していない(2年分の平均倍率 1.44 に相当)。

問1-8 移動平均による時系列の平滑化

あるリゾートホテルの四半期ごとの宿泊者数(百人)は次のとおりであった。宿泊者数には季節による変動があるため、中心化した4項移動平均(4項移動平均をさらに隣り合う2つで平均したもの)を用いて傾向を調べることにした。

期第1期第2期第3期第4期第5期第6期
宿泊者数120180160100132196

第3期に対応する中心化4項移動平均の値として最も適切なものを、次の①〜⑤のうちから一つ選べ。

  1. ① 130.7
  2. ② 138.4
  3. ③ 140.0
  4. ④ 141.5
  5. ⑤ 143.0
解答と解説を見る

正解:⑤

Step 1 4項移動平均を2つ求める

4項移動平均は連続する4期の平均。偶数項なので、その「中心」は期と期の間(2.5期、3.5期)に来る。

$$\text{第1〜4期}:\ \frac{120+180+160+100}{4}=\frac{560}{4}=140.0\quad(\text{2.5期の位置})$$$$\text{第2〜5期}:\ \frac{180+160+100+132}{4}=\frac{572}{4}=143.0\quad(\text{3.5期の位置})$$

Step 2 隣り合う2つを平均して第3期に対応させる

$$\frac{140.0+143.0}{2}=141.5$$

よって④が正解。

なぜ中心化するのか 4項移動平均のままでは値が「期の間」に対応してしまい、元データと同じ時点で比較できない。2つを平均することで、第3期という実際の時点に対応させることができる。これは実質的に「両端に重み 1/8、中央3つに重み 1/4」を掛けた5項の加重移動平均と同じ。
誤答のパターン ③・⑤は中心化前の4項移動平均(140.0、143.0)をそのまま答えたもの。①は第3〜5期の3項移動平均 (160+100+132)/3、②は第1〜5期の5項移動平均 692/5=138.4 で、いずれも「4項・中心化」の指示に従っていない。

統計検定2級 合格ナビ:統計検定2級の問題集アプリ。本番と同じ5択・数値表と電卓で解くオリジナル問題173問と、35問90分の模擬試験。解説記事・公式集・数値表と第1・2章の問題は登録なしで無料。全問は1,480円の買い切り。

アプリを無料で開く有料版と無料版の違い