頻出ひっかけ 正誤チェック30(統計検定2級)

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2級でよく狙われる「もっともらしいが誤り」の記述を30個集めました。まず右の2列を隠して正誤を判断し、理由まで言えるかを確かめてください。正誤だけ当たって理由が言えないものは、本番で言い回しを変えられると落としやすい項目です。

記述統計(No.1〜5)

No.記述正誤理由
1平均値は外れ値の影響を受けにくいが、中央値は受けやすい。誤逆。平均値はすべての値を使うので外れ値に引っ張られる。中央値は順位だけで決まるので外れ値に強い。
2右に裾の長い分布では、平均値が中央値より大きくなることが多い。正裾の長い右側の大きな値が平均値を引き上げる。一般に 最頻値 < 中央値 < 平均値 の順になりやすい。
3すべてのデータに10を加えると、分散も10だけ大きくなる。誤定数を加えても平均からの偏差は変わらないので分散は不変。変わるのは平均値(+10)。
4相関係数が0であれば、2つの変数の間には何の関係もない。誤相関係数は直線的な関係しか測らない。U字形のような曲線的関係があっても0に近くなりうる。
5身長の単位を cm から m に変えても、身長と体重の相関係数は変わらない。正正の定数倍や定数の加算では相関係数は変わらない(負の定数倍なら符号だけ反転)。

データ収集(No.6〜10)

No.記述正誤理由
6層化抽出法は、層内が均質で層間の違いが大きいときに推定の精度が高くなる。正層内のばらつきが小さいほど各層の推定が安定し、層間の違いは抽出の設計で確実に反映される。
7クラスター抽出法は、各クラスター内が均質であるほど効率がよい。誤逆。選んだクラスターを全数調査するので、クラスター内が母集団と同じくらい多様であるほど効率がよい。
8標本サイズを十分大きくすれば、無回答や回答の偏りによる誤差も小さくできる。誤それらは非標本誤差で、$n$ を増やしても減らない。$n$ で小さくなるのは標本誤差。
9観察研究で2つの変数に強い相関が見られれば、因果関係があると結論してよい。誤交絡因子や逆向きの因果の可能性が残る。因果を主張しやすいのは無作為化した実験研究。
10実験で処理を無作為に割り付けるのは、未知の要因の影響を処理群間で均等にするためである。正無作為化により、測っていない要因も平均的に各群へ均等に分かれ、偏りが入りにくくなる。

確率・確率分布(No.11〜15)

No.記述正誤理由
11確率が正の事象 A と B が排反ならば、A と B は独立である。誤排反なら $P(A\cap B)=0$ だが $P(A)P(B)\gt0$ なので独立ではない。むしろ一方が起これば他方は起きないという強い従属関係。
12有病率が非常に低い病気では、感度・特異度の高い検査でも、陽性者のうち実際に病気である割合は低くなりうる。正ベイズの定理より、陽性者の大半が健康な人の偽陽性で占められることがある。事前確率の大きさが効く。
13X と Y が独立なとき、$V[X-Y]=V[X]-V[Y]$ である。誤$V[X-Y]=V[X]+(-1)^2V[Y]=V[X]+V[Y]$。差でも分散は足し算。
14ポアソン分布では、期待値と分散が等しい。正$Po(\lambda)$ の期待値も分散も $\lambda$。データの平均と分散が大きく違えばポアソン分布の当てはまりを疑う手がかりになる。
15確率密度関数の値 $f(x)$ は確率なので、1を超えることはない。誤確率は面積(積分)で、密度の値そのものは確率ではない。例:$U(0,\,0.5)$ の密度は $f(x)=2$。

標本分布・推定(No.16〜20)

No.記述正誤理由
16母標準偏差 $\sigma$ の母集団からの大きさ $n$ の標本平均の標準偏差は $\sigma/n$ である。誤分散が $\sigma^2/n$ なので、標準偏差(標準誤差)は $\sigma/\sqrt{n}$。
17中心極限定理によれば、母集団分布が正規分布でなくても、$n$ が大きければ標本平均は近似的に正規分布に従う。正母分散が有限であれば母集団の分布の形によらず成り立つ。
18ある標本から95%信頼区間 [12.3, 15.8] が得られたとき、母平均がこの区間に入る確率は95%である。誤母平均は定数で、得られた区間は含むか含まないかのどちらか。95%は「同じ方法を繰り返すと約95%の区間が母平均を含む」という手続きの性質。
19他の条件が同じとき、信頼区間の幅を半分にするには標本サイズを4倍にすればよい。正幅は $1/\sqrt{n}$ に比例するので、$\sqrt{4}=2$ で幅は半分。
20不偏分散の正の平方根 $u$ は、母標準偏差 $\sigma$ の不偏推定量である。誤$E[U^2]=\sigma^2$ でも、平方根をとると $E[U]\lt\sigma$ となり不偏にはならない。

検定・χ²検定(No.21〜25)

No.記述正誤理由
21p値は、帰無仮説が正しい確率である。誤p値は「帰無仮説が正しいと仮定したとき、観測値以上に極端な結果が出る確率」。仮説そのものの確率ではない。
22有意水準5%で帰無仮説が棄却されなかったので、帰無仮説が正しいことが示された。誤「棄却するだけの証拠がなかった」にすぎない。標本が小さく検出力が低いだけの可能性がある。
23他の条件を変えずに有意水準を5%から1%に下げると、第2種の過誤の確率は大きくなる。正棄却域が狭くなるので、対立仮説が正しいときに棄却できない確率 $\beta$ が増える(検出力が下がる)。
24両側検定で有意水準5%のもとで有意になったデータは、対立仮説の向きが観測と一致する片側検定(有意水準5%)でも有意になる。正片側5%の境界(例:1.645)は両側5%の境界(1.96)より内側にあるので、両側で超えていれば片側でも超える。
253行4列の分割表で独立性のχ²検定を行うとき、自由度は $3\times4-1=11$ である。誤自由度は $(3-1)(4-1)=6$。行和・列和を固定すると自由に決められるセルは6個。

線形モデル(No.26〜30)

No.記述正誤理由
26単回帰分析では、決定係数は $x$ と $y$ の相関係数の2乗に等しい。正単回帰では $R^2=r^2$。重回帰では $y$ と予測値 $\hat{y}$ の相関係数の2乗になる。
27重回帰分析で説明変数を1つ追加すると、決定係数が小さくなることがある。誤最小二乗法では変数を加えても残差平方和は増えないので、決定係数は下がらない。下がりうるのは自由度調整済み決定係数。
28回帰出力表の t 値は「推定値 ÷ 標準誤差」で、自由度 $n-p-1$ の t 分布で検定する($p$ は説明変数の数)。正係数が0という帰無仮説の下での検定統計量。単回帰なら自由度 $n-2$。
29$y$ を $x$ で回帰した直線と、$x$ を $y$ で回帰した直線は、いつも一致する。誤傾きはそれぞれ $r\,s_y/s_x$ と $r\,s_x/s_y$ で、一致するのは $|r|=1$ のときだけ。どちらも $(\bar{x},\bar{y})$ は通る。
30一元配置分散分析で帰無仮説が棄却されれば、すべての群の母平均が互いに異なるといえる。誤結論は「少なくとも1組の群で母平均が異なる」。どの群が違うかは別途の比較が必要。
ひっかけの型 誤りの記述の多くは次のどれかです。(1) 大小や向きを逆にする(平均と中央値、層化とクラスター)、(2) 「必ず」「すべて」「証明された」と言い過ぎる、(3) $n$ と $\sqrt{n}$、$n$ と $n-1$、分散と標準偏差をすり替える、(4) 確率の意味をすり替える(p値、信頼係数、密度)。記述を読むときはこの4点を意識してください。
本番での解き方 「(ア)(イ)(ウ)の正誤の組合せ」を問う形式では、確実に判定できる記述から決めると選択肢が絞れます。1つでも確実に「誤」と言えれば、それを含む選択肢はすべて消えます。

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